『Phantastopia』第1号
2022.03.08発行
ISSN : 2436-6692
つながりを示すラインの軌跡「宇佐美圭司 よみがえる画家」展
宇佐美圭司の手がけた絵画《きずな》(1977年)について知ったのは、本作が廃棄処分により消失したという報道を耳にしたときであった。残念ながら、私はそれ以前にこの作品を実際に見ることができなかった。また、画家自身について知る機会も近年少ない状況であったゆえに、本展覧会は宇佐美の代表的な作品とともに、彼の作家活動を概観することのできる貴重な機会であった。
表象文化論コースの新しいメディアである『Phantastopia』の船出を、現在のコース主任として心から喜び祝します。
これは表象文化論コースの院生の皆さんが主体になって作り上げた媒体です。同様のものとしては、学生論文集『表象文化論研究』のシリーズがありました。初期の成果である2004年刊行の第3号『エステティクス再考』については、わたしが教員側の編集担当を務めたことを思い出します。その編集後記にわたしはこう書いています──
このたび『Phantastopia(パンタストピア)』第1号を公開する運びとなりました。『Phantastopia』は、東京大学大学院総合文化研究科超域文化科学専攻表象文化論コースに所属する修士課程・博士課程の大学院生が主体となって運営・刊行するWebジャーナルです。
本ジャーナルは、第一に、表象文化論コース所属の大学院生の研究成果を広く対外的に発表することを目的としています。第1号は一般的な学術誌と同じく、論文と研究ノートを中心に構成されており、論文は本コースの教員による厳正な査読プロセスを経ています。ブックレビューでは、表象文化論の学問分野に関連する未邦訳の外国語文献を、院生の専門的な知見にもとづき紹介しています。このほか、2021年夏に東京大学駒場博物館にて開催された「宇佐美圭司 よみがえる画家」展のレポート、さらにジャーナルの創刊を記念して、2021年度の表象文化論コース主任である田中純先生よりいただいた祝辞を掲載しました。
一之瀬ちひろ、梅谷彩香、岡俊一郎、乙幡亮、陰山涼、小手川将、銭清弘、谷口奈々恵、野上貴裕、福井有人
清水晶子、森元庸介