『Phantastopia』第3号
2024.03.22発行
ISSN : 2436-6692
論集『Spielraum』──田中純教授のご退職に寄せて廃墟としての/のなかの遊びの場
2024年3月の田中純先生のご退職に際して先生に贈るべく企画され、さまざまな専門領域と自由な表現手段によるテクストとイメージが集合する場として完成した論集『Spielraum』。書物のかたちをとった「廃墟としての/のなかの遊びの場」として制作された本論集の目次と、一部の論考・エッセイの本文を公開する。
映画上映イベント「ちょっとだけ遠い人々 現代映画と距離の感覚」トークセッション和久井亮+たかはしそうた+竹峰義和+韓燕麗+田口仁
2023年12月10日、駒場キャンパス18号館ホールにて映画上映イベント「ちょっとだけ遠い人々 現代映画と距離の感覚」を開催した。ゲストとして、表象文化論コース卒業生で在学中に制作した『Flip-Up Tonic』がPFFアワード2023の入選作となった和久井亮さん、東京藝術大学大学院映像研究科の修了制作『移動する記憶装置展』で同じく入選されたたかはしそうたさんにお越しいただいた。当日は和久井亮監督『Flip-Up Tonic』『金曜物語』、たかはしそうた監督『移動する記憶装置展』を上映した後、トークセッションを行った。表象文化論コースの映画研究者である竹峰義和先生、韓燕麗先生にご参加いただき、田口仁さん(表象文化論博士課程)司会のもと、上映された作品の演出上の特徴や制作上の意図について質疑が交わされた。
見切り発車する、居合わせている、ハリボテをつくる。東京大学教養学部選抜学生コンサートにおける林光《流れ》の演奏に寄せて
2023年6月17日、駒場キャンパスコミュニケーションプラザ北館音楽実習室において、第29回東京大学教養学部選抜学生コンサートが開催された。この演奏会は東京大学大学院総合文化研究科・教養学部ピアノ委員会が主催しているもので、5月に行われたオーディションを通過した学生が演奏を披露した。その中で、加藤理沙、西垣龍一、三浦純香は林光《流れ:簡易楽器をともなった声と動きのための ある架空の儀式。3人の女性の演者による。》(1973)を演奏した。林光(1931-2012)は20世紀を代表する日本の作曲家であり、なかでも本作は1960年代前後以降の前衛音楽シーンにおいてシアター的要素を導入した作品群に位置づけることができる。本企画について、演奏者3名がリレー形式で書き継いだレポートを掲載する。
めぐりあいの角度ジョアン・キー『アフロアジアの幾何学 連帯を超える美術』書評
青木識至
韓国映画の彼方へ⾦素榮『グローバルなコンテクストにおける韓国映画 ポストコロニアルの幻、ブロックバスター、トランス・シネマ』書評
韓瑩
映画理論の共同体キース・B・ワグナー、ジェレミー・シャニャフスキ、マイケル・クレーマー編 『フレドリック・ジェイムソンと映画理論 マルクス主義、アレゴリーそして世界映画における地政学』書評
藤田奈比古
美的な多様性についてドミニク・マカイヴァー・ロペス、ニック・リグル、ベンス・ナナイ『なぜ美を気にかけるのか』書評
銭清弘
人形を「歴史的テクスト」として読むミリアム・フォーマン=ブルネル、ジェニファー・ドーン・ホイットニー編 『ドールズ・スタディーズ 少女の玩具と遊びの多様な意味』書評
谷口奈々恵
『Phantastopia(パンタストピア)』第3号を公開します。本誌は、東京大学大学院総合文化研究科表象文化論コースの大学院生が運営するWebジャーナルとして、2021年度より刊行を開始しました。おかげさまで3年目を迎え、ようやく継続的な活動として形になってきたようにも感じます。
石川愛、梅谷彩香、王宏斌、岡俊一郎、陰山涼、澤田朱里、塩田典子、下山雄大、谷口奈々恵、趙婭冰、浜渦理起、原田遠、龐鴻、山田惇一
桑田光平